インタビュー

社員一丸でブランド強化、スワニーの世界挑戦を牽引

雲井 雄基
マネージングディレクター
2017年7月入社

約110人の社員と1on1面談し、熱い思いを共有

2020年に、投資・事業経営会社である日本共創プラットフォーム(JPiX)の設立・立ち上げに参画しました。2017年7月にIGPIに入社して以来、新規事業の立ち上げや企業再生等をいくつか経験してきましたが、同時に「30代のうちに、会社経営に挑戦したい」という希望も訴え続け、その思いが叶った形です。JPiXは、一般的な投資ファンドとは異なり長期的に投資先を保有し、ハンズオン経営によるCX(コーポレーショントランスフォーメーション)・DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた長期的・本質的な企業成長にコミットしており、とてもやりがいを感じています。2022年11月には、香川県東かがわ市のグローブ・バッグ製造販売会社であるスワニーの事業承継・M&Aによる投資実行をプロジェクトマネージャーとして推進し、投資後はスワニーの取締役として経営をおこなっています。

スワニーは、「世界中にあたたかさを届ける」というパーパスのもと、創業以来85年以上にわたり、グローブやバッグのニッチ分野でトップを走ってきました。取締役に就任して、真っ先に取り組んだのが、約110人の社員全員との面談です。「社員1人ひとりがどういう人で、どういう仕事をやっているのか/やってきたのか」「事業承継の変化の中で感じている不安や疑問、リクエスト」「どんな会社・事業にしていきたいか?もしくは、課題や不満、変えたい点は何か」などについて最初の1カ月間で、1人ずつと面談し、話を聞きました。そうした社員からの声も聞きながら、会社の仕組みを変えていっています。スワニーは素直で明るい人たちが多く、「一緒に会社をよりよくしていきたい」という思いが共有でき、業績向上への手ごたえを感じることができています。

米国子会社のCEOに就任、グローバル展開に意欲

スワニーは二代目オーナー社長の時代に海外進出を推し進めました。当初は韓国・中国における工場運営がメインでしたが、現在スワニーグループは子会社・関連会社含めて5カ国で経営しており、これまでに培った独⾃の技術やノウハウを活かし、OEMビジネスのほか、自社の「スワニーブランド」も企画し、中国や東南アジアの⾃社⼯場・協力工場で⽣産し、欧⽶諸国・⽇本で販売しています。積極的なグローバル展開で、すでに北⽶においては、スキーグローブの最⾼級ブランドとして知られています。香川県の中堅企業が、世界市場へ向けて製造・販売の両面でチャレンジを続けてきたことには敬服します。そして、2023年夏より、私が米国へ赴任し、スワニーグループ全体の経営と並行して、現地で米国子会社のCEOとして事業・経営を率いることになりました。私としても、グローバルビジネスには強い関心があり、地方の中堅・中小企業が欧米、アジアの市場でブランドビジネスにおいて各国のグローバルプレイヤーと戦っていけることを示すことは、とてもやりがいのある仕事であると感じています。

スワニーにとって、米国子会社が自社ブランドビジネスの販売としては最大拠点です。米国市場ではシニアの富裕層向けの高価格帯のスキー・スノーボードのグローブで存在感を示していますが、今後は、若者向けの商品やマーケティングにも力を入れていきたいと考えています。日本ではデザイン性の高いファッション手袋や、スキーやスノボ以外にも、マウンテニアリングやトレッキング、ランニングなど幅広いスポーツシーンを支える手袋を手掛けており、米国市場でもこれらを展開できるのではないかと可能性を感じています。グループ全体として、グローバルでのブランド展開を強化していくために、まずは「私がやらなければ」と気を引き締めています。

香川県東かがわ市は手袋産業の集積地として発展してきましたが、日本手袋工業組合の加盟社数はピークの4分の1にまで減少しています。JPiXがスワニーを事業承継したことを契機に、スワニーがローカル発グローバルの企業としてさらなる成長を果たし、将来的には地域の経済活性化を支える役目も果たせたらいいなと思っています。

注目の上場企業再生、最強チームでやり遂げる

新卒で入社したボストン・コンサルティング・グループ(BCG)で約3年間働いた後、DeNAに転職し、オートモーティブ領域の新規事業の立ち上げ・運営に関わってきましたが、キャリア上の転機となったのは、IGPIでディレクターに昇進した後に初めてチャレンジさせて頂いた企業再生の仕事です。メディアでも関心を集めていたある上場企業の大きな再生プロジェクトでした。企業再生プロジェクトは、自らの経営や財務に関する知見を更に広げるためにも希望したのですが、初めての企業再生にもかかわらず、想定よりも大規模で正直焦りましたが、そこがIGPIらしいとも感じました。

このプロジェクトでは3か月後に迫った決算発表に合わせて、構造改革プランの作成を手掛け、その後の実行を伴走しました。短中期での止血・再生計画と長期的な成長戦略を描く必要があったのですが、事業・財務/会計・法務・組織/人事など経営上のあらゆる面において論点が多い、骨の折れるプロジェクトでした。ただ、経験豊富なメンバーでチームを組ませてもらったので、メンバーに助けられながらプロジェクトマネージャーをやり遂げることが出来ました。それまでは、前職での経験も含めて、事業面の経験が多かったですが、このプロジェクト含めた企業再生の仕事を通じて、企業経営や財務/会計領域の経験を多く積ませて頂き、その後のJPiXでの投資・事業経営をおこなっていく自信につながりました。

プロアクティブな人材がどんどん集まってくる組織

IGPIグループというプラットフォームや組織文化は、プロアクティブに自分の実現したいことを成し遂げるには非常に良い環境だと思います。新しい領域にチャレンジするとき、まずは知識やノウハウを勉強し準備万端にしてから取り組みたいというマインドセットになりやすいですし、来るべきチャンスに備えて準備をすることはとても大事なことですが、同時に自分のやりたいことや進みたい道を発信しつづけ、チャンスがあればまずは飛び込んでみることが大切です。自分の場合も、そのチャレンジの中で、成果を出すために「こと」に向き合い、必要なケイパビリティを身に付けるように常に努力しています。

新卒の頃に学んだ所作として、何か新しい領域に取り組む際はAmazonで10冊くらい書籍をポチって、一気に固め読みして全体像や大事な論点を掴むというのは、いまでも続けています。しかし、座学的なところだけでは埋められないことはたくさんあります。IGPIグループには、さまざまな知識とノウハウ、経験を持つ経営人材が大勢いるので、座学で分からなかったことは、仲間に教えてもらうことでスキルや経験を補い合うことが可能です。

IGPIグループでは自分の希望をどんどん発信していくと、チャンスをつかむことができます。先輩たちも、そうやって経験を積んできた人ばかりだからです。自分から考え・行動できるプロアクティブな人がどんどん集まってくる組織にしていきたいので、そういう気概のある人に仲間に加わっていただきたいです。

※IGPIグループが運営するオウンドメディア「IGPI VOICE」より転載


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