インタビュー

好奇心を追求した先に巡ってきたチャンス

越田 佳菜
マネジャー
2018年12月IGPI入社、2023年10月JPiX転籍

地域インフラとなるヘルスケア領域

2024年1月からヘルスケア領域の投資活動と投資先の病院経営に携わっています。ヘルスケア領域における投資検討は、一般的なビジネスとは少し違いがあります。たとえば、ローカル性が強く、環境分析ではその地域にどんな人が住み、どんなニーズがあるかを細かく見ていきます。さらに、投資後にどう機能すれば、社会にとって望ましくなるのか。その地域に不可欠な産業かつインフラですから、経済合理性だけで撤退判断を行うのはなじみません。また、病院単体ではなく、そこを起点にいかに地域社会とつながり発展させていくかという視点を持ってこそ意義がある領域です。そのため、期間を定めず、面での展開を視野に入れて出資やコミットを行うJPiXのスタイルは非常に適していると思っています。

ハンズオンで病院をマネジメントする仕事にも手応えを感じています。病院で働く方々は医療・介護の専門教育を受けていますが、多くの場合、チームや組織の運営について学ぶ機会は少ないように思います。他方、病院や介護施設は極めて労働集約的な現場であり、人のマネジメントがとても重要になってきます。そこで、院内でマネジメント研修を実施し、個々人が自律して成長できるような環境づくりをしていくことに着手しました。看護部長の提案を受けて、目標管理手法も導入し、毎月現場スタッフと1on1面談をして進捗管理とともに、課題や解決策を考えてもらう機会を設けています。地道な取り組みですが、現場マネジメントの発言には少しずつ変化が見られ、部下をどう育てようか、どうすれば他の病棟とうまく連携できるかなど前向きに考えるようになっています。

1通のメールをきっかけにJPiXへ転籍

私は金融機関を経て2018年にIGPIに入社しましたが、JPiXに転籍したのはまったくの偶然です。家族に医療従事者が多かったので、いずれはヘルスケア領域の仕事に関わりたいと考えていましたが、IGPIではそうした領域の案件機会は巡ってきませんでした。コロナ禍中、プロジェクトでやや挫折感を味わい、自分はなぜここにいるのだろうかと考えた時期がありました。その頃、東京医科歯科大学で社会人向け大学院コースがあり、医療政策学や管理学を学べることを知ったのです。医療行為はできなくても、事業体運営であれば、自分にも貢献できる余地があるかもしれない。好奇心に突き動かされて、受験してみました。

幸い合格したので、IGPIの担当の共同経営者(パートナー)に事後報告すると、驚かれました。学ぶ内容はすぐに仕事に結びつくものではないし、おそらくあまり筋が通っていないように見えたのでしょう。それでも越田さんがそうしたいならやってごらんと言っていただき、仕事を続けながら、夕方から授業を受け、週末にレポートを書いて提出する日々を送り始めました。同じ頃、個人的なライフイベントが重なり、大学院1年目のカリキュラム修了直後に出産を経験しました。それから1年間は育児休暇を取得し、育児の傍ら論文を書き上げました。

育児休暇中に思っていたのは、IGPIでまだやれることがある。十分にやりきって、武器を身につけた段階で、ヘルスケア業界にシフトすればいい、ということでした。ところが、あるパートナーから送られてきた1通のメールで、潮目が変わります。JPiXでは、もうすぐヘルスケア領域で1件目の投資が終わり、今後は面で展開したいと考えている。大学院で学んだことや、前職で培ったM&A(合併買収)の知見など、あなたのケイパビリティが活かせるので、参画しないかと言われたのです。これほど早いタイミングで病院経営に関われるとは思ってもいませんでした。そして何よりも、JPiXでは期間を決めずに投資をするため、恒久的に事業に携われるところに共感しました。資金を入れて経営上の意思決定に参画すれば、圧倒的に当事者性が出てきます。ヘルスケア領域に、外部のコンサルタントではなく当事者として関わることは、まさに望んでいたことでした。

気持ちよく休暇をとって仕事ができる

現在の働き方は日によって異なり、働く場所も投資先、オフィス、在宅など様々です。基本的に投資先には週2~3回出勤し、現場の人々とコミュニケーションを図っています。面談や会議のほか、経理周りなど細かな業務も担当しているので、皆さんとデスクを並べて仕事しながら情報交換し、現場に対する理解を深めています。

在宅で働くときには、主に投資の検討や分析を行います。オンラインミーティングで議論することも多いです。朝8時頃から仕事を始めて、夕方6時頃にいったん切り上げ、子どもを寝かせた後、仕事に戻ることもあります。家事育児の観点では、いかに時間を捻出するかが重要です。在宅勤務は移動時間がない分、仕事に使える時間を最大化できるので助かります。仕事も子どもと過ごす時間も楽しめているので、大事なものを犠牲にしていると感じたことはありません。

JPiXでは、小さな子どもを持つ母親だからと特別な気遣いをされないところに、働きやすさを感じます。母親であろうがなかろうが、誰もが限られた時間の中で、できること、できないことがあります。たとえば先日、投資先で大きなイベントを開催する日に、子どもの行事があるので欠席したいと男性の同僚が申し出たとき、チームのみんなは快く受け入れていました。こっそり休むのではなく、気持ちよく休暇をとれる環境があることは重要です。困ったときにはお互いにフォローしながら、チームとして最大の成果を出せるようにしたいと思っています。

逃げ場をつくらず、しっかりと問題に向き合える

学生時代に投資銀行やM&Aになんとなく憧れて、その世界に入ってみたけれど、何かが違うとフラストレーションを抱いている人も一定数いるのではないかと思います。特に、マネーゲームで成果を上げるよりも、愚直に投資先に関わりたいと思っている人ほど、投資の期間や範囲が限定されていることに壁を感じてしまうはずです。そういう人にとって、経済合理性を踏まえて意思決定をした後、責任を持って自分の手で価値創造を実現していくJPiXで働くことは1つの解になります。期限を定めずにコミットし、逃げ場をつくらずに、しっかりと問題に取り組めるからです。

また、起業できるほどの事業アイデアは持っていないけれども、社会問題や世の中の理不尽に向き合い、自分のノウハウやスキルを投じて何かアウトプットを出したいと思っている人にも、JPiX がその受け皿となってくれます。しかも、1件に投資するだけで終わらず、戦略的に面で展開するので、より力強く社会に働きかけることができます。

私の関わっているヘルスケア領域では、病院、在宅診療、施設、終末期の患者様の居場所などが揃った、地域包括ケアモデルをつくることを目指しています。これまでも大学院での勉強などを通じ漠然と、そういうモデルがあれば素晴らしいと思っていましたが、投資先の病院で地域のケアマネージャーさんとの勉強会を開催するなど、より現実的な議論を重ねていく中で、どんどん解像度は上がり、ぜひ実現させたいという思いを強めています。1つモデルができれば、同じような課題を持つ地域にも展開可能になります。そこまで本当にたどり着くには時間もお金も人材も必要になるわけですが、JPiXにはそれら充実したラインナップが揃っています。そういうことに関心がある人は飽きることなく、ワクワクしながら働けると思います。


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